宇都宮市のお客様の雨漏り修理工事をレポートします。
お庭の造り込みも美しい大変立派な旧家です。屋根は瓦葺ですが、下屋部分を銅板一文字で葺きあげてあります。
そうです。雨漏りはこの銅板屋根部分。最近銅板屋根の雨漏り修理が非常に多いのですが、これらは酸性雨というよりも上に葺いてある『いぶし瓦』の釉薬との相性の問題(電食)に注目すべきかも知れません。
サビが進んだ所に、さらに銅板の夏冬の温度差による伸縮が金属疲労を起こし写真の様な亀裂を作っていました。これが雨漏りの直接的原因です。
さて、銀黒のいぶし瓦が葺いてある以上はこの銅板屋根をガルバリウム鋼板やステンレスなどの屋根に葺き替えるしか(本当の意味での)解決方法はないのですが、こちらのお宅の様に平屋で足場代が掛からないのであれば、悪い部分から新しい銅板に葺き替えるという方法で出費を抑える方法もご説明させていただいています。これであれば他では得られない銅板の風合いを残すことができます。ただし、今雨漏りのしていない他の部分も近い将来穴が開く可能性があることをお忘れなく。
銅板葺きという伝統の技・・・・出来る人が本当に少なくなった今でも、吉沢板金で働いていればまだまだ現役の技術です。薄く、弱くなっている古い部分に絡んでいく作業がありますので、実は全部を新しく葺くよりずっと技術力がいるんですよ。
新しい銅板への葺き替え後となります。今は色の違いがとても目立ちますが、半年もすると段々落ち着いてきますのでご安心下さい。