さくら市、某食品加工工場で行った『雨漏り調査後の修理工事』です。ここのところ天気が優れなかったのですが、今日の予報ではやはり午後から雪。出来れば雨の降らない午前中に雨漏り修理を完了して差し上げたいものですが・・・。
上の写真は雨漏りしている部位の直ぐ上にある巨大なベンチレーターです。ベンチレーターそのものの造りのせいで雨漏りが起きている訳ではなく、原因はその下の板金工事の納まりのまずさにあります。施設管理者様から現在不使用のベンチレーターの撤去も依頼されているため、撤去後の雨仕舞いも兼ねて工事を進めます。
ここが雨漏りの原因です。(バールの先端部)
勾配がとられていないため低い部分に水が溜まることと、極めつけはコーキングの切れですね。しかし、そもそもコーキングは屋根上の様な、風雨や紫外線に晒される過酷な状況下では1年程で切れてしまうものですので、それはあくまで補助として用いて板金での雨仕舞いを完璧に行うのが吉沢板金流です。
※コーキングで結露水の抜け道まで塞いでしまう人がいますがそれは二次的に浸水原因を作っていることに他なりません。
ベンチレーターを撤去してみると中はこのようになっていました。装置の下に雨漏りの様子はなく、先ほど指摘したポイントの真下(写真のボードの裏側にあるH鋼上)に水滴が残っていることが確認できます。
今回のような例から雨漏りの原因究明には正しい納まりを知っているかどうかが最も重要であると考える理由がお分かり頂ければ幸いです。合わせて散水試験などのナンセンスさとコーキングだけで処理してしまうことへの注意も促せればと思います。
工事中の写真です。ベンチレーター跡の大穴には下地を造り結露防止のための防水紙を張った後に屋根を掛けます、もちろん材料はガルバリウム鋼板です。※常にそうですが、防水紙には結露防止以上の役割は期待しません。
上の写真がベンチレーター撤去後の雨仕舞いを兼ねた雨漏り修理工事の完了写真になります。ハゼと立ち上がり、水勾配を熟考し、コーキングはあくまで補助的に使う『理想の納まり』が完成しました。
・・・と、さっそく雪がちらつき始めましたね。担当者様「お陰で安心できるよ。」との事・・・何よりです。