劣化したモルタル外壁には複数個所にクラックがあり雨漏りが起きています。
そしてもう一つ、モルタル外壁自体が剥がれ落ちる心配があることです。
ある程度の大きさでゴソっと剥がれ落ちることが多いのですが驚くべきはその重さです。
モルタルの比重2.1t/㎥として計算してみますと、ありがちな45cm角(壁の厚み25mm)位ではなんと10kgにもなります!
それが車や人の頭上にあることを考えるとゾッとしませんか?
モルタル外壁にお勧めのリフレッシュ方法はこれ!
本当に酷い状態であればそれはもう剥がして新しい外壁に張り替えるしかないのですが、状態によってはこんな方法で解決できるかもしれません。
モルタル外壁はそのままに、新しい下地材を追加しているのが分かりますか?
ここで重要なのが下地材をしっかりと建物構造材に固定してあげること。劣化したモルタルを建物の構造材と新しい下地材でサンドイッチして押さえるイメージになります。
さらに、その上に金属外壁を張ることで古いモルタル外壁は完全に覆われてしまいますので落下の心配がなくなります。
この工法のメリットをいくつか挙げてみます。
- 塗装工事と違いモルタル落下の心配がなくなる。
- 塗装工事では得られない全く新しい外観(美観)を得られる。
- 構造材を補強する効果が期待できる。耐震性能の向上(吉沢板金では必ず軽量な金属外壁を採用しています。)
- 以前のモルタル外壁はこれ以上風雨に曝されないため劣化し難くなり、新しい外壁の内側で役に立ってくれます。
- 所謂『通気カバー工法』ですので、建物内が静かになったり断熱効果が得られたりという機能アップが期待できます。
- モルタルを剥がした場合の産廃処分費がかからないので工事の費用を大きく圧縮できます。
アフター。今回の金属サイディングは比較的リーズナブルなものになりますが、それでも立派なガルバリウム鋼板製。
もちろんご予算に余裕があればお洒落な外壁を選んでいただくことも可能ですが”雨漏りを止めて、モルタル外壁の落下を防ぐ”という目的ならこれでも十分果たせます。
未工事部分との境には専用に設計した板金役物を使って自然に、また、雨仕舞良く仕上げました。
階段の部分は上下で張り分けていますが、目地が通った美しい仕上がり・・・これは当たり前じゃないんですよ。
施工者の気持ち次第です。
さて、今回の工法で対応できた理由として忘れてはならないのが、オーナー様(またはお住まいの方)の日頃の何気ない観察と、何か異常を発見した時にそれを”心配に思った”ということです。
それが早期発見に繋がってより大規模な工事にならずに済み、また人災という不幸を避けることができたのです。
参考までに以下のリンクはモルタル外壁を剥がすことでしか対応できなかった事例になります。雨漏りを放置してしまい躯体に腐朽が及んでしまった場合にはこんな感じで大きな工事が必要になります。
【関連記事】
Pingback: 吉沢板金の外装リフレッシュが特別なわけ – 雨漏りを止める!笑顔を守る雨仕舞い論